使える無料TOEIC単語アプリはどれか?TOEIC990点満点ホルダーがレビュー・検証しました

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「空き時間を活用してTOEIC単語を覚えるアプリはないか?」 現在指導している方から聞かれ、さっそく探してみました。

所有しているのがiphoneなのでApp Storeで「TOEIC 単語」で検索し、いくつかダウンロードしました。※まずiphone版で評価しました。いいものはandroid版もご紹介したいと思います。

TOEIC単語アプリをレビュー・評価するにあたって

TOEIC単語アプリで何が一番重要か?

アプリの操作性や使いやすさも重要ですが、それ以前にもっとも重要なのが、TOEICの傾向にあった単語が収録されているかです。書店で販売されている単語集の中にも、TOEICの傾向とはかけ離れたものがあります。

とくにTOEICでスコアを上げたい初級者から中級者は、収録されている単語がTOEICに出やすいかどうか判断できません。

出ない単語を覚えてもスコアにはつながりませんし、また出やすい単語が収録されていないと、非常に効率の悪いTOEIC単語の勉強になります。

そこでTOEICの単語アプリを評価・レビューするにあたって、収録されている単語がTOEIC的かどうかを、優れた市販のTOEIC単語集に収録された単語との比較で評価したいと思います。

市販の定評のあるTOEIC単語集をベンチマーク(基準)として評価する
ベンチマークとして、「新TOEIC R TEST 出る順で学ぶボキャブラリー990」を使用しました。

TOEIC界で有名な神崎先生の単語集です。収録されている単語はTOEICをすごく意識したものになっています。初級者から中級者まで覚えたほうがいい単語がつまっています。誰もが知っている単語でも、TOEICで使われる意味で丁寧に載っています。

たとえば、position。positionは、「位置」という意味がよく知られていますが、TOEICでは「職」という意味で頻繁に出てきます。(※TOEICの傾向をよく知らない著者・編集者・出版社は簡単な単語なのでスルーする可能性があります。)

「位置」とだけ知っていると解けない問題があります。こうした配慮はまさにTOEICを目的とした単語集に欠かせないものだと思います。

基準となる単語の選定

比較対象として、この単語集に収録されているものの中から、730点目標までを30個を独自の判断で選びました。

判断基準はTOEIC990満点6回かつTOIEC公開試験連続16回受験中(2014年1月現在)の経験をベースに、「いかにもTOEIC的な単語で絶対に覚えたほうがいい」という観点から選択しました。

ベンチマーク(基準)TOEIC単語リスト

以下が、選定した30語です。

470点レベル(7語)
position 職
ship 発送する
store 保管する
book 予約する
due 期限である
interview 面接する
renovate 改修する

600点レベル(13語)
vehicle 乗物
colleague 同僚
banquet 晩餐会
deadline 締め切り
renew 更新する
upcoming 来たる
venue 会場
extension 内線
temporary 臨時の
refreshment 軽い飲食物
subscribe 定期購読する
contribute 寄付する
fine 罰金
supervise 監督する

730点レベル(10語)
complimentary 無料の
customs 税関
warehouse 倉庫
warranty 保証
entire 全体の
merger 合併
merchandise 商品
tentative 仮の(※2014年1月12日の公開試験マイナーフォームPART6にも出ました)
real estate 不動産
inconvenience 迷惑

例えば、動詞のsubscribe(定期購読する)の場合、名詞のsubscription(定期購読)といった同じ意味の品詞違いはカウントすることにします。real estate(不動産)はestateのみでもOKとしました。

一方、先ほど例にあげた、positionが「位置」のみで「職」がない場合は、カウントしません。

では、TOEIC単語アプリに上の単語があるか調べましょう。

収録単語からみた無料TOEICアプリのレビュー

TOEIC重要英単語(2014年1月現在 無料)

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●単語数 2000語

●ベンチマーク(基準)TOEIC単語リストとの比較結果
10語/30語=33.3%

●レビュー・評価
TOEIC用の単語集としては、TOEIC頻出単語をカバーする割合が低く、やってもあまり効果がないでしょう。2000語という多めの単語数にもかかわらず、収録されていないのは、TOEICを研究していないと思われます。

さらに、出そうもない単語(否定的な単語などTOEICにほとんど出ないもの)が多いのでTOEICに関しては労多くて効果なしでしょう。

【例】 aで始まるものをちょっと調べただけでも、abase(へりくだる、品位などを落とす)、abduct(連れ去る)、ambush(待ち伏せる)、acrophobia(高所恐怖症)などは出る可能性はほとんどゼロでしょう。

TOEICをメインとしなければ、別ですが、これを「TOEIC重要単語」という名前をつけるのはいかがなものかと思います。

TOEIC最頻出単語(2014年1月現在 無料)

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●単語数 600語(「TOEICによく出題される単語を厳選した600語」ということです)

●ベンチマーク(基準)TOEIC単語リストとの比較結果
4語/30語=13.3%
※vehicle(乗物)、colleague(同僚)、contribute(寄付する)、real estate(不動産)のみ。

●レビュー・評価
カバー率がかなり低く、残念な結果です。600語レベルでもしっかりTOEICの傾向を研究していればそれなりのものができるはずです。「TOEICによく出題される単語を厳選」というには看板に偽りありですね。

他の単語集を使い回してTOEICという名前を付けて作っているような感じです。TOEIC対策として使うのはお勧めしません。

TOEICの最頻出語2000語(2014年1月現在 無料)

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●単語数 2000語

●ベンチマーク(基準)TOEIC単語リストとの比較結果
8語/30語=26.7%

●レビュー・評価
2000語という収録数からいって、26.7%はかなり低いですね。アプリのもともとの説明にもありますように「日常会話/高校/大学受験/TOEIC受験に必携のアプリケーション」ということなので、オールラウンドな単語集だと思われます。

TOEIC対策としてメインで使うには、効率が悪いでしょう。

まとめ

今回、無料を中心にTOEIC単語のアプリを調べ始めましたが、これぞというものが見つかりませんでした。無料であるのはいいのですが、TOIECの傾向とかけ離れたものをやっても直接スコアアップにつながらないと思います。

そのようなアプリで勉強しても効果がないでしょうし、結局時間という貴重な資源を失うことになりかねませんので注意が必要だと思います。次回は有料版を含めて探してみます。

※今回のレビュー・評価は、TOEIC対策という観点で行いました。総合的な単語力・語彙力を上げることを目的とされている場合は、本レビュー・評価は該当しませんのでご自身の判断でご利用ください。

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