Google翻訳アプリでTOEIC新公式問題集Vol6パート2のサンプル問題を訳してみました。その結果はいかに?!

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永江一石さんのブログで2015年1月15日にアップデートされた「Google翻訳」が凄いことになっているということを知り、TOEIC新公式問題集Vol6のリスニング パート2(サンプル問題5問)の音声で試してみました。

Google翻訳には音声を聞き取るとほぼリアルタイムで音声と文字に訳してくれる優れた機能があります。また言語のペアを2つ選んでおけば、どちらの言語かアプリ側で勝手に判断してくれます。さて、その実力はいかほどか?

実験方法

新公式問題集Vol6リスニングセクションのパート2のサンプル問題のCD音声をスピーカーから再生し、Google翻訳アプリに認識させてどれくらいの正確に聞き取って日本語訳できるか確かめました。

英語音声の聞き取り精度と翻訳の結果

Part2サンプル問題 11

part2-sample-11

単語単位での音声の聞き取りは完璧です。日本語訳では疑問文と判断しています。ただし、”leaving”を「残している」としているため、このままだと何の意味か正確に判断できません。”leave“のように文脈で様々な意味になる単語の自動翻訳はまだまだ改善の余地があるといったところでしょうか。

(A)

part2-sample-11a

英語の音声認識は正確で、日本語訳もOKです。

(B)

part2-sample-11b

英語音声認識は正確、日本語は「周り(around)」と訳しているため、少しわかりにくいがそれなりに意味が理解できるレベル。

(C)

part2-sample-11c

英語認識、日本語訳とも完璧ですね。

Part2サンプル問題 12

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英語音声認識は完璧、”way”を「方法」としている以外はOK。

(A)

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英語の聞き取りは完璧ですね。”turn” (曲がるところ)を訳した「ターン」がよりわかりやすくなればということろですかね。

(B)

part2-sample-12b

これは英語・日本語訳とも完璧ですね。

(C)

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英語認識はOKですが、この訳は意味不明ですね。やはり同じスペルの単語で意味が多い翻訳は前後の文脈がないと難しいのでしょう。 【left(左という意味と動詞leaveの過去・過去分詞)】

Part2サンプル問題 13

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英語の認識は正確です。日本語訳で”play”がTOEICでよく出る「芝居、演劇」と訳されれば完璧でした。多義語を正確に翻訳するには、前後関係などの条件が将来的にも必要になるでしょう。

(A)

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これはOKですね。

(B)

part2-sample-13b

10:30という時間を数字で認識しているようですが、その日本語訳を見れば意味はほぼわかりますね。

(C)

part2-sample-13c
英語OK、日本語訳もほぼOKですね。

Part2サンプル問題 14

part2-sample-14

英語の認識精度はOK。”why don’t we”を提案(~しませんか?)に訳すなどもう少し改善の余地はあります。多義語のhaveは、文脈に合った日本語訳を1発で出すのは難しいでしょうね。

(A)

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英語は完璧、日本語も理解できるレベルです。

(B)

part2-sample-14b

英語音声の認識、日本語訳とも完璧です。

(C)

part2-sample-14c

英語認識は完璧、日本語訳も意味として理解できるレベルです。

Part2サンプル問題 15

part2-sample-15
短縮形含め12語からなる英単語を正確に聞き取っています。日本語訳も理解できるレベルです。
※15番の選択肢はすべて2文になっていますので、前後に分けて聞き取らせました。

(A)1番目の文

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英語音声認識、日本語訳は完璧です。

(A)2番目の文

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英語音声認識はOK、日本語訳は多義語の“had”が入っていて難しかったですかね。

(B)1番目の文

part2-sample-15b1
英語音声認識、日本語訳とも完璧ですね。

(B)2番目の文

part2-sample-15b2
英語音声認識は完璧、日本語訳もOKです。

(C)1番目の文

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今回英語音声認識で唯一正確でなかった問題です。“We’ll”が“will”になっています。TOEICの早口のオーストラリア男性ナレーターの音声です。何度か試しましたがWe’llの長母音(wíːl)がwill(発音記号wíl )と認識されなかったようです。ただ、日本語訳ではそれなりの訳になっています。

(C)2番目の文

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英語音声認識OK。 日本語訳はちょっと変ですが、前の文と合わせて状況が推測できるかも。

まとめ

英語音声認識精度は高い

今回比較的クリアな音声が収録されているTOEIC新公式問題集を使って実験しましたが、音声を正確に認識する精度はかなり高いというのが正直な感想です。

現状レベルでも、簡単なセンテンス、フレーズは意味の理解できるレベルで翻訳してくれると思われます。旅行などで使うトラベル英会話から簡単な日常会話ぐらいなら、十分実用レベルでしょう。

他の言語は試していませんが、英語以外の言語、例えば中国語、韓国語、タイ語、インドネシア語、ベトナム語などのアジア言語から、フランス語、イタリア語、スペイン語、イタリア語などのヨーロッパ言語、あるいは、アラビア語などの翻訳機能がありますので、英語が通じない場所・シチュエーションでは心強いかもしれません。

今後の課題など

状況、前後関係、文脈から判断しなければならない多義語(ひとつの単語でいろいろな意味があるもの)の訳に関しては、現時点で人間の方が優れていることは確かでしょう。しかし自然言語処理、人工知能(AI)などの技術がさらに進歩すれば、このギャップが埋まっていき、5年先、10年先かわかりませんが、近い将来相当レベルまで機械翻訳の精度が上がっていくのではないかと思います。そのような時代になると、英語を含めた語学学習の考え方、やり方が大きく変わっていくかもしれませんね。

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