「TOEIC L&R 出る単特急 銀のフレーズ」レビュー&感想

TOEICスコアアップのために絶対必要なのが語彙力の強化。参考書、問題集などから抜き出して覚えることも大切ですが、単語の暗記を加速するためにTOEIC専用の単語集を検討すべきでしょう。

ではどの単語集を使うべきか?真っ先に候補に上がるのは「金のフレーズ(以下金フレ)」です。収録されている単語は実際の公開試験でよく出ます。持ち運びに便利なコンパクトサイズで無料の音声ファイルやアプリがあります。

しかし、金フレはTOEICのスコアが400点台以下の場合だとちょっとキツイかもしれません。金フレはビジネス関連を含むTOEICによく出る単語が中心で、中学、高校の前半で学ぶ基本的な単語をすべて網羅されているわけではありません。したがって、基礎語彙力が十分でないと土台部分の単語が抜けたままになる恐れがあります。

そこで出てきたのが「銀のフレーズ(以下銀フレ)」。著者のTEX加藤さんによると200点台・300点台の学生でも使えるような単語集で金フレ、公式教材、中学校の検定教科書を参考に収録単語は選び出されています。

見出し語1000のうち、約550語が金フレと同じですが、中のフレーズは完全に作り直されて異なるものになっています。銀フレを終えて、金フレに進んでも違うフレーズに触れることができるので新たな学びが期待できます。

「銀のフレーズ」か「金のフレーズ」で迷ったら

本屋で実際に手に取って比べるか、出版社のサイトから音声ファイルがダウンロードできるのでそれをもとに比較してみるといいです。

あくまで個人的な目安ですが、銀フレの最初の50個の単語が8割から9割わかる(英単語を見て日本語の意味がわかる)レベルであれば、金フレからスタートしていいと思います。また、金フレの最初の50個のうち半分程度しかわからなければ、銀フレから初めてもいいでしょう。

単語・語彙力強化はTOEICのスコアアップに不可欠

実は「銀のフレーズ」または「金のフレーズ」を必須教材としてTOEIC講座で使っています。金フレを選択することが多いですが、基礎単語力が欠けている場合は銀フレから始めます。

どのように活用しているかというと、毎週宿題として50個や100個を覚えてきてもらい、テストします。具体的には宿題の範囲の英単語の音声を聞いて、すぐに日本語の意味を言えるかどうかをテストします。リスニングでは瞬発的に意味を理解しないと使えないのでこの方法でテストしています。

この宿題をしっかりこなして単語を覚えていく受講生はスコアが伸びていきやすいです。単語を覚えるのが苦手と最初に言っていた人も、根気よく繰り返し覚えていくことで語彙力をつけていっています。

単語を覚えるのは簡単ではありませんが、繰り返し触れる場面と回数を増やせば記憶できる単語は確実に増えていきます。繰り返し単語を「見る」、「聞く」回数を増やすことが地味ながら最強の単語記憶法だと思います。

単語を覚えればPART7の長文読解も容易になる

PART7の長文が苦手という方は多いです。長文が理解できない、長文を読むと疲れるという感想もよく聞きます。長文が読めない一番の原因は語彙不足です。文法的な構文の理解以上に大切なのは語彙力です。

知らない単語は何度も出てきたら読むのも疲れますし、また十分な理解もできません。文章の中で未知の単語が5%以上あると、その文章の理解が困難になるという説があります。わからない単語が多くなると意味を理解するのが困難になることをきっと経験されていることでしょう。

知っている単語が増えればPART7の長文読解が以前より容易になります。銀フレや金フレを活用して単語力を増強していけば、「これ銀フレに出ていた単語だ!」、「金フレのフレーズとそっくりだ!」という場面が増えてきます。

単語集で覚えて、問題集で実際に使う頻度が増えてくれば、どのような文脈でどのように使われているか理解できるようになり、読解やリスニングで「使える英単語」になってきます。こうした「使える英単語」が増えれば語彙力が底上げされて、長文読解に対する苦手意識を克服できることでしょう。

ぜひこの機会に銀フレや金フレを使って語彙力強化に本格的に取り組んでみてはいかがでしょうか。真剣に取り組めば2から3か月で大きな変化がきっと訪れるでしょう。

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