【TOEIC800点台から900点を目指す!TOEIC模試トレーニングによる勉強法】 第4回 TOEICリーディングPART7対策

公開日: : リーディング

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目次

第1回 スコアメイク戦略と模試トレーニングの概要
第2回 TOEICリスニング対策
第3回 TOEICリーディングPART5,PART6対策
第4回 TOEICリーディング PART7対策
第5回 TOEIC単語・語彙の傾向と対策およびまとめ

リーディング400点レベルからさらに上を目指すためには、PART7で読解の正確性とスピードが要求されます。問題文全体を読んで理解し、答えられるだけの読解力が必要となります。以前は設問からキーワードを見つけて、問題文の中から該当箇所を探せば解ける問題が多かったようですが、ここ最近はしっかり読み込まないと答えられない問題が増えてきています。

表などにある情報は目を通す程度で構いません。しかし、問題文のセンテンスは可能な限りすべて読んでいくべきです。飛ばし読み(スキミングやスキャニング)をしていると、解答の根拠を見逃すリスクがあります。また根拠が見つからないため、何度も読み返して時間を大きくロスする可能性もあります。もし飛ばし読みでPART7を解いているのであれば全文を読むやり方に切り替えたほうがいいでしょう。

全文を読むには、どれくらいのスピードが必要か?

TOEICのリーディング全文を読むのに必要なスピードとして以下が参考になります。

TOEICのリーディングセッションでは、文書をすべて読んで、時間内に全問解き終えるためには、最低でも150 words/minute(1分間に150語)のスピードで読む必要があります。

新TOEIC TEST 読解特急2 スピード強化編(朝日新聞出版) P8より

この150wpm (words/minute = words per minute)という数字がどれくらいのものか比較できる秋田県立大学の資料があります。
http://nae.akita-pu.ac.jp/data/pdf/521418847521f.pdf

この資料によれば、VOA Newsで140~150wpm、CNNやABC Newsでは、映画で180~200 wpm程度ということです。(※他のサイトなど見たところVOAでも英語学習者向けのVOA Special Englishは100wpmです。)

さらに、平均的日本人大学生の読書速度は、102.69wpmで、約100 wpmです。読書スピードは英文の難易度にも依存しますので、TOEICという特定の試験に当てはめるのは適切ではないかもしれませんが、ひとつの基準になると思います。このスピードであれば平均的大学生(平均450点ぐらい)がTOEICの全文を読むことができないのは当然と言えましょう。

800点台レベルの方は、平均的大学生とは違い、はるかに高い英語力を持っています。すでに150wpmを超えているか、超えていないにしても近い数字なのではないかと思われます。このように仮定すると、読むスピードがないと感じていても、PART7全文を読む潜在的読解力があることになります。150wpmに多少満たなくても、模試トレーニングを積み重ねればスピードを上げることができます。

「PART7は全文を読んで解いていく」方針でいきましょう!

※150wpmは、PART5、PART6を含めたリーディング全体の数字なので、PART7だけに適用するのはやや不適切かもしれません。しかし、PART5、PART6は、問題文全体を読まなくても解ける問題があるので、この2つのパートの解答時間を短縮してPART7に回せば、多少遅いスピードで読んでもいいということも言えます。

※実際の試験では、マークする時間、考える時間、特定のセンテンス・フレーズを2度読みする時間などもあるので、引用した文で「最低150wpm」としているとのもその理由のひとつだと思われます。

読解力と読解スピードを上げるためには?

頭から読んで英文を理解していく

センテンスを返り読みしながら日本語訳にしていく習慣があると読解スピードが落ちます。英文を読んで後ろから戻って意味を確認していたら、時間がかかってしまいます。TOEICでは和訳の問題は出ません。英文の意味が理解できれば十分です。

返り読みを改善する方法として、すでにご存知かもしれませんが、英語の語順で頭から理解する「スラッシュリーディング」という方法があります。スラッシュリーディングでは、カタマリ(チャンク)にスラッシュで区切り、カタマリごとに意味を理解していく方法です。返り読みをするよりも断然速く読んで理解できるようになります。

スラッシュを入れる位置は文法的に区切ることができ、かつまとまった意味をもっている単位になります。厳密的にはスラッシュを入れる箇所は決まっていません。慣れれば区切る単位を大きくしていくとよいです。

【スラッシュを入れる位置】

  • カンマやセミコロンの前
  • 前置詞句前
  • 接続詞の前
  • 関係代名詞・関係副詞の前
  • 疑問詞の前
  • to不定詞の前
  • 現在分詞の前
  • 過去分詞の前
  • 長い主語の後
  • 長い目的語や補語の前

【スラッシュを入れる例】

Mr. Tanana has requested approval to use the meeting room for the workshop that will be held next week.

(意味)タカナさんは、来週行われる研修会のためにその会議室を利用する承認を要求した。

この文にスラッシュを入れてみます。

Mr. Tanana has requested approval / to use the meeting room / for the workshop / that will be held next week.

タナカさんは承認を要求した / 会議室を利用する / 研修会のための / 来週行われる

このようにスラッシュリーディングをすることで、最後まで読まなくても英語の語順で意味をとることができるようになります。

問題には書きこまないので、頭の中で、スラッシュで区切っていく方法で模試トレーニングをすればいいでしょう。これも慣れればスラッシュを意識することなく、自然にカタマリ単位で読んでいけるようになります。書き込みがどうしても必要な場合は、2回目以降の模試トレーニングのためにコピーをとってやったほうがいいでしょう。

模試から重要単語・語彙を増やすこと

単語・語彙力は読解力と読解スピードと密接な関係があります。単語・語彙が増えれば、読解力と読解スピードが強化されます。

知らない単語は、前後関係から類推可能な場合があります。話の流れから、おおよその意味をとらえた経験は誰もがあることでしょう。しかし、知らない単語が多くなると全体の意味を理解することが困難になり、また読む時間もかかります。

どれくらい未知の単語があると理解できないかについて判断基準があります。語学学習、指導分野の研究者・専門家の間では、内容を理解するために必要な単語のカバー率は95%と言われています。別の言い方をすれば、この数字を下回ると内容理解が困難になるということでしょう。

私はTOEICのリーディングで8回495点を取っていますが、公開試験で知らない単語・あいまいな理解の単語が毎回出てきます。それでも、本文を理解することや問題を解く上で特に支障はありません。正確に数えたことはありませんが、おそらく95%以上の単語はカバーしているのではないかと思われます。

リーディングのスコアが、800点以上レベルの方は、すでにTOEICの語彙水準の95%を超えているか、この数字から大きく離れていないレベルにあると推測されます。TOEICに出てくる単語を100%近く理解できるようにするために、単語数をやみくもに増やすことに時間をかけるより、95%レベルまでを当面の目標とするのがいいでしょう。

良質なTOEIC模試は、試験の傾向を反映して出題されやすい単語で問題が作成されています。したがって、模試に絞り込み、知らない単語・語彙の穴を埋めていくほうが、時間効率がいいと考えます。

とりわけ設問に直接関連する単語・語彙の優先度を上げるのがいいでしょう。断言はできませんが、経験上、設問に関連する単語のほうが、重要度が高いという印象があります。復習に時間をかけられない場合、本文中で設問に直接関係ない未知の単語は、簡単に確認する程度で済ませてよいと思います。

※TOEIC単語・語彙については「第5回 TOEIC単語・語彙の傾向と対策およびまとめ」にあります。その中で参考にしたETSの公式レポートによれば、TOEICの語彙水準(95%基準)は3714語と多くありません。TOEIC模試を通じて単語・語彙の穴を埋めていくことが効率的だと思います。この3714語という数字は、英検1級(8230語)の半分以下で、英検準1級(6136語)も大きく下回っています。TOEIC対策に関して言えば、8000語、10000語の高い語彙レベルは必要ないと言えるでしょう。

読む持久力をつける

ほとんどのTOEIC受験者に共通するのが、読む持久力がないことです。PART7に約50~60分かけるとして、この時間、集中して英文を読むことに慣れていません。途中で読み疲れ、息切れして最後の問題まで手が付けられない、あるいは、集中力を切らして単純なミスをしてしまうなど読む持久力が不足しているためにスコアの壁を乗り越えられないケースが多いのではないかと思います。

日頃から英語を読んで一定時間集中する練習をしないとこの持久力はついてきません。PART7に出題されるぐらいのまとまった量の英文を一気に読むこと練習していないと、何度TOEICの試験を受けても改善する見込みはありません。

この点で、模試トレーニングには非常に大きな効果が期待できます。模試は、TOEICの傾向・難易度を反映したPART7対策として最善のテキスト素材です。試験と同じような時間配分で繰り返し解く練習をすれば、こうした持久力がつきます。集中を維持してミスを減らし、最後までやり遂げる力を強化してくれるはずです。

※PART7の模試トレーニングを平日にやる場合で1セット分を解く時間が取れないとき、あるいは模試トレーニングに慣れないうちは、シングルパッセージ(153-180番まで)とダブルパッセージ(181-200番)の2つに分けてやるのでも構いません。時間がとれる休日などには、PART7全体を通しで153番から200番までの48問をやるという方法でもいいでしょう。

模試トレーニングでは最初は解答時間を多めにとる

重要なポイントは、最初から目標とする制限時間内にすべて解かなくてもいいということです。多少スピードを落としてでも、しっかり読んで内容を理解しながら全問解いていくべきです。そのためには、目標時間より2割ぐらい多めにとっても構いません。

速く読もうとする意識が強すぎると内容が頭に入りにくくなります。結局何度も読み返すことになり、しっかり1回読むより時間がかかってしまうことがあります。私も模試トレーニングを始めた当初、読解スピードを重視したため何度も問題文を読み返す羽目になりました。そのため時間をロスし、内容の理解も不十分だったこともあり細かなミスがでました。

そこで1回読んで内容をつかむ方法に変更しました。その結果、ミスを減らし、トータルの解答時間を短縮することができました。

模試トレーニングで継続的に一定量の英文を読み、単語・語彙力が強化されれば読むスピードは上がってきます。トレーニングを続ける中で時間を短縮して最終的に目標時間に到達できればいいということです。あせらずしっかり読むトレーニングからスタートするのがいいでしょう。

PART7の英文の難易度は高くない

PART7で扱われる問題文は、一般的なネイティブが読んで理解できるレベルの文章で構成されています。広告、取扱説明書、社内文書、メール文、求人情報、新聞記事、案内文など内容的に難しいものはありません。高度な専門知識、背景知識がないと読めない学術論文は含まれません。まして、難解な古典的作品、有名作家のエッセイや小説などは皆無です。

情報を伝えることがベースとなっているので、TOEICで要求される単語・語彙レベルを持ち、中学レベルにプラスアルファした構文理解力があれば、「情報として意味をとらえること」ができるはずです。

確かに慣れないうちはその量に苦戦するかもしれませんが、模試トレーニングを続けることで克服できると考えます。TOEIC PART7の中で難易度が高めの記事問題(Article)も模試トレーニングで読む量を増やせば、読みこなせるレベルに到達できると思います。

答えの理由・根拠は必ず本文中にある

PART7の設問に対する答えの理由・根拠は必ず本文中に書かれています。おおまかな意味・話の展開が理解できても、設問に対して答えるときは、問題文と照合しながら正確に情報を読みとっていかなければなりません。

問題作成者は、言い換え表現や紛らわしい選択肢(選択肢の一部分が正しいもの)を組み込んできて、TOEIC受験生の読解力・理解力を試してきます。

私自身、PART7の模試トレーニングを始めた頃、問題作成者のトリック・罠によくひっかかりました。読みが浅いとき、本文の印象から想像を働かせて選んだ問題で間違えるケースがたびたびありました。本文を読んだときはそれほど難しいとは思わなかったのですが、解答の根拠となる個所を押さえていないと誤答を選ぶことがあることがわかりました。

そこで軌道修正し、選択肢を選ぶ理由・根拠を必ず本文中から見つけるようにしました。新規の模試を解いていくうちに、徐々に根拠を見つける精度があがり、間違いが少なくなりました。ひとつひとつ積み上げていった結果、公開試験のPART7でほぼ1問ミス以内に抑えられるようになりました。

PART7の模試トレーニングで間違えた問題の理由・根拠をあいまいにしておくと、せっかく時間をかけて解いた模試問題から吸収するものが少なくなります。PART7の模試を解くときはもちろん、答え合わせをするときも、選択肢と解答根拠を結びつけることを強く意識して取り組むべきです。

PART7対策の総括として、確認・復習作業で理由・根拠を理解することが最も大切です。「Aというセンテンス・フレーズがあるから選択肢Bを選ぶ」という思考プロセスを徹底的に意識すべきです。

問題文は英語で書かれていますが、最終的には、英文そのものの理解以上に、解答を導くロジックに慣れるほうが重要です。英文が理解できているにもかかわらず、間違えることが多い場合は、この思考プロセスに弱点があることも考えられます。

重要なので繰り返しますが、PART7を克服するために「選択肢を選ぶ理由は必ず本文中にある」、「だから、その理由を探し出して選択肢を選ぶ」ことを常に念頭に置いて模試トレーニングに取り組んでみてください。

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  1. […] 例えばテレビのアナウンサーが丁寧に話す速度は140wpm程度だが、早口な英語だと180〜200wpm程度と言われている。ぼくの個人的な感覚だとシリコンバレーの人たちは200wpmがデフォルトだ。一方、日本の平均的大学生だとリーディングで80〜100wpm、TOEICで800点前後の人でも120〜140wpm程度という話もあるから、リスニングで処理漏れが起こって理解できなくなるのは当然だ。ちなみに英語ネイティブのリーディング速度は250〜300wpmと言われている(wpmについては、ここやここ、これ、この本を見るといい)。 […]

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    【スコア優先のTOIEC勉強法】運営者
    セルフアカデミー 今井 直樹

    TOEIC990点満点ホルダー(2012年11月より通算6回達成)。 TOEICのスコアを本気で上げたい方をマンツーマンで徹底指導。 各TOEIC学習者の現状分析と最適な勉強プログラムを日々研究しています。 公開試験を毎回受験し、最新の傾向と対策をフィードバックします。
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